はじめに
コーヒー発祥の地のひとつとして知られるイエメン。エチオピアと並び、世界最古のコーヒー文化を持つ国です。イエメン産のコーヒーは「モカコーヒー」としても知られ、その独特な風味と歴史的背景から、世界中のコーヒー愛好家に親しまれています。
イエメンのコーヒーは、ワイルドな果実味とスパイシーなニュアンスが特徴的で、一度飲むと忘れられない味わいがあります。乾燥した山岳地帯で育まれ、ナチュラル(乾燥式)精製によって仕上げられるこのコーヒーは、他の産地にはない個性を持っています。
本記事では、そんなイエメン産コーヒーの特徴や主要産地、焙煎度の選び方、そしておすすめの豆をご紹介します!
イエメン産コーヒーの特徴
ワイルドな果実味とスパイシーな風味
イエメン産コーヒーの最大の特徴は、その複雑で個性的な味わい。レーズンやドライフルーツを思わせる濃厚な甘みと、シナモンやクローブのようなスパイシーな風味が絶妙に絡み合います。ナチュラル精製特有の発酵感もあり、ワインのような奥深さを楽しめます。
ナチュラル精製ならではの甘みとボディ
イエメンのコーヒーはほとんどがナチュラル精製。果肉をつけたまま天日乾燥させることで、豆に甘みとコクがしっかり残ります。そのため、フルボディでしっかりとした厚みのある味わいが特徴的です。
小規模農家による伝統的な栽培
イエメンでは、何世代にもわたって受け継がれた伝統的な方法でコーヒーが栽培されています。農薬や化学肥料をほとんど使わず、山岳地帯のテラス農園で手作業によって育てられるため、少量ながらも高品質な豆が生産されています。
イエメンの主要なコーヒー産地
イエメンのコーヒーは、標高1,500m以上の高地で栽培されており、産地ごとに異なる個性を持っています。
ハラーズ
イエメンで最も有名なコーヒー産地のひとつ。標高が高く、寒暖差の大きい環境で育つため、甘みと酸味が凝縮されています。レーズンやプラムのような濃厚なフルーツ感とスパイシーな香りが特徴。
イッブ
フルーティーな風味が強く、ベリー系の酸味とチョコレートのような甘みが楽しめます。比較的バランスが良く、イエメンコーヒーの個性を感じながらも飲みやすいのが魅力。
サナア
イエメンの首都周辺で栽培されるコーヒーで、伝統的な「モカマタリ」として知られています。ワインのような発酵感と、ドライフルーツの甘みが特徴的で、力強い味わいを楽しめます。
焙煎度の選び方
イエメンコーヒーの独特な風味を活かすために、浅煎り~中煎りがおすすめです。
浅煎り(ライトロースト)
ベリーやワインのような酸味が際立ち、ナチュラル精製特有のフルーティーさを最大限に楽しめます。ただし、発酵感が強めに出ることもあるので、クセが気になる方は中煎りを試すのもアリ。
中煎り(ミディアムロースト)
果実感と甘みのバランスが良く、イエメンコーヒーの個性をしっかり味わえます。特にレーズンやチョコレートのような甘さが引き立つので、ブラックで飲むのがおすすめ。
おすすめのイエメン産コーヒー豆
ハラーズ ナチュラル(中煎り)
レーズンやプラムのような濃厚な果実味と、ナチュラル精製ならではの甘みが魅力。ブラックでじっくり味わいたい一杯。
モカマタリ(中浅煎り)
イエメンコーヒーの代名詞とも言える一杯。モカフレーバーという独特な酸味とコクを味わえます。
まとめ
イエメン産コーヒーは、果実感とスパイシーな風味が特徴的で、他の産地にはない個性的な味わいを楽しめます。
特にハラーズやモカマタリは、レーズンやワインのような甘みと酸味が感じられ、コーヒーの奥深さを存分に堪能できる逸品です。ナチュラル精製ならではの濃厚な味わいをぜひ一度試してみてください。
自分好みの焙煎度や飲み方を見つけながら、イエメンの伝統が生んだ特別なコーヒーを味わってみましょう!