コーヒーといえば黒い飲み物というイメージがありますが、実はコーヒーの生豆は緑色をしています。それでは、あの黒色はどこから来るのでしょうか?その秘密は、コーヒー豆の「焙煎」にあります。
コーヒーが黒くなる理由|焙煎の影響
コーヒー豆を焙煎することで、たんぱく質や糖質が熱と反応し、黒色の元となる成分が生まれます。具体的には、以下の3つの反応が関係しています。
①メラノイジンの生成
コーヒー豆に含まれるたんぱく質と糖質が加熱されると、メイラード反応という化学反応が起こります。この反応によって「メラノイジン」という褐色の色素が生成され、コーヒーの黒色を作り出します。
②カラメル化反応
コーヒー豆の糖質は熱が加わることでカラメル化し、褐色の色を帯びます。これは、砂糖を加熱してカラメルソースを作る原理と同じです。
③ポリフェノールの変化
コーヒー豆にはポリフェノールが豊富に含まれており、焙煎によって褐色に変化します。このポリフェノールもメラノイジンの一部となり、コーヒーの黒色に影響を与えます。
この「メラノイジン+カラメル化+ポリフェノール」の3つが組み合わさることで、コーヒーの黒色が生まれるのです。
焙煎度による色の違い|浅煎りと深煎りの違い
コーヒーはすべて同じ黒色ではなく、焙煎度によって色の濃さが異なります。
○浅煎りコーヒー(ライトロースト・シナモンロースト)
色が薄く、紅茶のような明るい茶色
焙煎時間が短いため、メラノイジンの生成が少ない
○中煎りコーヒー(シティロースト・フルシティロースト)
一般的なコーヒーの黒に近い色
焙煎が進み、メラノイジンが増加
○深煎りコーヒー(フレンチロースト・イタリアンロースト)
最も黒く、オイルが表面に出ることも
高温で長時間焙煎され、メラノイジンが最大限に生成
まとめ|コーヒーの黒色は焙煎による化学変化の結果
コーヒーが黒くなるのは、焙煎によってたんぱく質や糖質、ポリフェノールが熱と反応し、「メラノイジン」という色素が生成されるためです。
・浅煎りは紅茶のような色で、焙煎が深くなるほど黒くなる
・カラメル化やポリフェノールの変化も関係している
・焙煎度によって味だけでなく、色の違いも楽しめる
次回コーヒーを飲むときは、透明なグラスに注いで色を観察してみてください!焙煎度による色の違いがよく分かり、コーヒーをより深く楽しめるはずです。