ハンドドリップの「リンス」、必要?不要?
ハンドドリップでコーヒーを淹れる際、最初にペーパーフィルターだけの状態でお湯を注いで「リンス」をした方がいいという話やしなくてもいいという話、どちらも聞いたことがあったりしませんか?実は、このリンスですが基本的には必要ありません。今回は、その理由やリンスのメリット・デメリット、そして自分に合った方法を見つけるためのポイントを解説していきます!
まず結論から:リンスはしなくても大丈夫!
リンスをしなくても、美味しいコーヒーは淹れられます。むしろ、リンスすることで以下のようなリスクが発生する場合があります
ペーパー付近の抽出が早く始まる
リンスをするとペーパーフィルターが濡れるので、コーヒー粉を入れた直後からペーパー付近の粉が抽出を始めます。この状態では、雑味成分がやや多く抽出されやすくなります。
雑味が味に影響する可能性
雑味が増えると、コーヒーが冷めたときに飲みづらさや苦みが目立つことがあります。特に、繊細な風味を楽しみたいスペシャルティコーヒーでは、この影響が気になることも。
こうした理由から、私はリンスをしない方が雑味を抑えつつクリアな味わいを引き出しやすいと考えています。
リンスをした方がいいとされている理由
それでは、なぜリンスをした方がいいとする人がいるのでしょうか?主に以下の理由が挙げられます。
1.紙臭さを取るため
ペーパーフィルターにはわずかながら「紙の臭い」が残っていることがあります。リンスをすると、その臭いを取り除けるとされています。ただし、現在販売されているペーパーフィルターは品質が高く、この紙臭さはほとんど気にならないレベル。特に問題なければ、この理由でリンスをする必要はありません。
2.器具を温めるため
リンス時のお湯でドリッパーやサーバーを温めることもできます。これにより、抽出中の温度が安定するというメリットがあると言われます。ただし、湯温をしっかり管理すればリンスをせずとも美味しいコーヒーを淹れられるので、絶対必要な工程ではありません。
3.伝統的なプロセスの一環
リンスは古くからのハンドドリップの手法に含まれるため、慣例として続けている人もいます。しかし、コーヒーは日々進化しており、必ずしも従来の方法が最適というわけではありません。
リンスしない場合の注意点
リンスをしない場合でも、美味しいコーヒーを淹れるためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
1.湯温の管理をしっかり
リンスをしない場合、器具が冷たいままだと抽出中に湯温が急激に下がることがあります。抽出時のお湯は90〜95℃程度が理想ですが、器具が冷えたままだと湯温が80℃台に落ちてしまうことも。事前にドリッパーやサーバーを別の方法で温めておくと良いでしょう。
2.コーヒー粉を均一に蒸らす
リンスをしない場合、ペーパーが乾燥しているため、お湯が注がれたときにコーヒー粉全体が均一に蒸らされるよう注意が必要です。お湯を少量ずつ、ゆっくりと注ぐことで、均一な蒸らしが可能になります。
リンスありとなし、どっちが美味しい?
リンスの有無で味が大きく変わるかというと、実はそこまで劇的な違いが出るわけではありません。どちらが美味しいかは、飲む人の好みによるところが大きいです。
リンスありの特徴
・紙臭さが気になる場合には有効。
・抽出温度が安定しやすい。
・やや雑味が増える可能性も。
リンスなしの特徴
・雑味が抑えられ、クリアな味わいになりやすい。
・湯温管理が必要だが、その分純粋なコーヒーの味が楽しめる。
飲み比べてみよう!
どちらが自分に合う方法かを見つけるには、リンスありとなしで飲み比べをしてみるのが一番です。
例えば…同じ豆を使い、同じ条件で一方はリンスあり、もう一方はリンスなしで淹れてみる方法です。
冷めたときの味の変化や、最初の一口での印象を比較してみる。
こうした実験を通じて、自分にとってベストな方法を見つけることができるので試してみるのも楽しいですよ。
まとめ
ハンドドリップでのペーパーリンスは、基本的には不要です。リンスなしの方が、雑味を抑えたクリアな味わいが得られやすいというメリットがあります。ただし、紙臭さが気になる場合や器具を温めたい場合には、リンスも一つの選択肢です。
最終的には、「どちらが美味しいと感じるか」はあなた次第。気になる方はぜひ飲み比べを試して、自分の好みや豆の特性に合った方法を見つけてみてくださいね。
次のコーヒータイム、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?