最近、コーヒー好きの間で話題の「アナエロビック(Anaerobic)」というコーヒー豆。名前だけ聞くと「何それ?難しそう!」と思うかもしれません。でも実は、これはコーヒーの発酵プロセスに関するちょっと面白い方法なんです。この記事では、アナエロビックコーヒーがどうやって作られるのか、どんな特徴があるのか、そしてどんな人におすすめなのかを分かりやすく解説していきます!
アナエロビックって何?
アナエロビックとは簡単に言えば「嫌気性発酵」というプロセスのこと。
通常、コーヒー豆は果実(チェリー)の状態で収穫され、その後、さまざまな方法で果肉を取り除いたり発酵させたりします。この発酵が豆の風味を左右する非常に重要なステップです。
アナエロビックでは、豆を密閉されたタンクなどの「酸素のない環境」に置いて発酵させます。
ここがポイントで、普通の発酵は空気中の酸素が関与しますが、アナエロビックでは酸素がほとんどない状態で進むので、微生物が特別な働きをします。このプロセスによって、コーヒーに独特のフレーバーや風味が生まれるんです。
アナエロビックコーヒーの味わいって?
じゃあ、その「独特な風味」ってどんな味?と思いますよね。
アナエロビックで処理されたコーヒーは、一般的に以下のような特徴があります。
複雑なフレーバー
果実感が濃厚で、ジャムのような甘みや酸味を感じることが多いです。
ユニークな風味
シナモンやスパイス、フローラルな香りなど、通常のコーヒーではあまり感じない風味が楽しめます。
濃厚な口当たりや風味
口当たりが滑らかで、飲みごたえがあります。
例えば、あるアナエロビックプロセスのコーヒーを飲んだ時、「まるでワインみたい!」とか「フルーツのデザートを食べてるみたい!」と感じることもあります。これがこのコーヒーの魅力で、多くの人を虜にしているんですね。
どうやって作るの?アナエロビックの工程
アナエロビックプロセスには、いくつかのステップがあります。ちょっとだけ専門的に見てみましょう。
1.コーヒーチェリーの収穫
完熟したチェリーを選びます。これはどのプロセスでも基本ですが、アナエロビックでは特に大事。
2.密閉タンクで発酵
収穫したチェリーを、酸素を遮断したタンクに入れます。このとき、タンク内の温度や時間をしっかり管理して発酵させます。
3.発酵後の工程
アナエロビックプロセスの興味深いところは、密閉タンクでの発酵が終わった後の処理方法でも、コーヒーの味が大きく変わるという点です。
発酵の後、次の工程で大きく分けて2つのパターンがあります。
ウォッシュト
発酵後、果肉や粘液質(ミューシレージ)を洗い流して取り除くプロセス。
この方法では、コーヒー豆自体のクリーンで明確な風味が際立ちやすく、酸味やフルーティーなニュアンスがクリアに感じられることが多いです。例えば、レモンやベリーのような爽やかなフレーバーを引き出すのに適しています。
ナチュラル
発酵後も果肉を残したまま乾燥させる方法。
この方法では、コーヒーチェリーそのものの甘みや複雑な風味が豆に移ります。結果として、濃厚なフルーツ感やジャムのような甘みが特徴的なコーヒーになります。また、シナモンやスパイスのような風味が現れることもあり、一杯の中で「味の爆発」を感じるようなコーヒーに仕上がることがあります。
アナエロビックコーヒーが人気の理由
アナエロビックコーヒーが人気なのは、そのユニークさだけではありません。
実は、コーヒー農家にとってもこのプロセスは大きなチャンスなんです。
プレミアム価格
手間がかかる分、高品質で高値がつきやすい。農家にとっても収益アップにつながります。
地域の個性が出やすい
タンク内の条件(温度や湿度、発酵時間)によって味が変わるので、農園ごとの個性をアピールする絶好の方法。
また、バリスタやコーヒーマニアの間では、「こんな味、初めて!」と驚きを与えることができるのも人気の理由。
どんな人におすすめ?
アナエロビックコーヒーは、こんな人に特におすすめです!
コーヒー好きで新しい体験を求めている人
普通のコーヒーに飽きてきた?そんな人には、アナエロビックはピッタリ。新しい風味の世界が広がります。
果実感や甘みの強いコーヒーが好きな人
チョコやナッツ系のコーヒーよりも、ベリーやトロピカルなフレーバーが好きなら、ぜひ一度試してみてください。
特別な一杯を楽しみたい人
普段飲みのコーヒーというよりは、「ご褒美」として楽しむのがおすすめ。家族や友人と一緒に飲み比べるのも面白いですよ!
まとめ
アナエロビックコーヒーは、その独特の製法と風味で、コーヒーの新しい楽しみ方を教えてくれる存在です。「ちょっと特別な一杯が飲みたい」「新しい味を発見したい」という方には、ぜひ挑戦してみてほしいですね。
少しお値段が高めのこともありますが、その価値は十分アリ!近くのスペシャルティコーヒーショップやオンラインで探してみてください。アナエロビックの世界に一歩足を踏み入れれば、きっとその魅力にハマるはずです。
次のコーヒータイム、ちょっと冒険してみませんか?
↓筆者おすすめの、アナエロビック・ナチュラル製法のエチオピア・イルフガチェフェのコーヒー豆です。元々フルーティなエチオピアの豆ですが、アナエロビック製法により更にフルーティさが際立ち、とても新鮮な飲み口ですよ。
浅煎り~中煎りくらいが個人的なおすすめです。