「スペシャルティコーヒー」って、耳にしたことはありませんか?。普通のコーヒーと何が違うの?どんな基準で「スペシャル」と呼ばれるの?今回は、スペシャルティコーヒーの歴史や定義、評価基準についてわかりやすく解説していきます!
スペシャルティコーヒーの歴史と背景
スペシャルティコーヒーの概念が生まれたのは1970年代のアメリカ。これまでの「大量生産・大量消費」のコーヒーから一歩進み、品質の高い豆を厳選し、その味わいや個性を楽しむ文化が広がりました。
特に、消費者がコーヒーに求める価値が「単なるカフェイン摂取」から「一杯のコーヒーがもたらす体験」へと変化したことが、このムーブメントを後押ししました。現在では、生産地の農家からカップに至るまでの全工程で品質管理が徹底されていることが求められるようになっています。
スペシャルティコーヒーの定義
日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)によると、スペシャルティコーヒーとは以下の条件を満たすものを指します。
カップの中の風味が素晴らしいこと
消費者が「美味しい!」と感じる風味特性が際立ち、酸味や甘さがバランスよく調和していることが重要です。
「From seed to cup」の一貫した品質管理
生産地での栽培、収穫、加工から、輸送、焙煎、抽出に至るまで、全工程で徹底的な品質管理が行われていること。
欠点豆が極めて少ないこと
未成熟な豆やカビた豆などの欠点豆がほとんど含まれない高品質な生豆であること。
サステナビリティとトレーサビリティの確保
環境保護や農家の生活向上など、持続可能なコーヒー生産が行われていること。さらに、どの農園で作られたかが明確であることも重要です。
スペシャルティコーヒーの評価基準
スペシャルティコーヒーの評価は、ただ「美味しい」だけではありません。専門家によるカッピング(テイスティング)で、以下の項目が細かく評価されます。
- カップ・クオリティのきれいさ
カップ・クオリティというと分かりづらいかもしれませんね。
汚れや風味の欠点などがなく、栽培地による特色がきちんとみられるものが大前提であるということのようです。 - 甘さ
自然な甘さが感じられること。砂糖を入れなくても甘みを楽しめるのが理想です。
コーヒーチェリーを収穫した時点でしっかり完熟しているか、欠点豆がないかなども甘さにつながってきます。 - 酸味の質
爽やかでフルーティーな酸味が評価されます。ここでの酸味というのは強さではなく質のことです。
刺激的な酸味、不快な印象度を与える酸味、爽やかさ・キレの無い酸味、劣化した嫌な酸味はスペシャルティコーヒーにはあってはならないとされています。 - 口に含んだ時の質感
クリーミーさや滑らかさなど、口当たりの良さが重要です。
様々な要因が絡んできますが、この”質感”もコーヒーを楽しむうえで大切なんです。 - フレーバー
豆ごとに異なる風味特性(例えば、チョコレートやベリー、シトラスのような香り)が評価されます。
産地ごとに様々な風味を楽しめますが、その風味がはっきり感じ取れるものがスペシャルティコーヒーには必須です! - 後味の印象
飲んだ後に残る心地よい余韻があるかどうか。コーヒーの柔らかな甘みの印象を感じ取れるまま消えていくのが理想です。 - バランス
酸味、甘さ、苦味、香りが調和しているかが問われます。
これらの項目が高得点を獲得した豆だけが「スペシャルティコーヒー」として認められるのです。
スペシャルティコーヒーの魅力
スペシャルティコーヒーの最大の魅力は、その「風味の多様性」です。例えば、エチオピア産の豆ならジャスミンのような華やかな香りが楽しめたり、コロンビア産なら甘いキャラメルのような味わいが感じられたりします。
さらに、スペシャルティコーヒーは、飲むたびに新しい発見があるのも特徴。温度が変わると味わいが変化するため、一杯を通して異なる風味を楽しむことができます。
スペシャルティコーヒーを選ぶポイント
初めてスペシャルティコーヒーを試すなら、以下のポイントを参考にしてみてください。
産地に注目
例えば、エチオピアやケニア、コスタリカなど、産地ごとに特徴的な風味が楽しめます。
焙煎度をチェック
フルーティーな酸味が好きなら浅煎りを、コクのある味わいが好きなら中深煎りがおすすめです。
購入は信頼できるお店で
スペシャルティコーヒーを扱う専門店やロースターで購入すると、品質の高い豆が手に入ります。
お店によって扱っている豆の種類や焙煎の仕方なども違うので、自分好みのお店を見つけられるとコーヒーをより楽しめます!
まとめ
スペシャルティコーヒーは、ただの「高級なコーヒー」ではなく、豆の品質からカップに至るまで、全ての工程が徹底管理された一杯です。その美味しさは、農家やロースター、バリスタなど、たくさんの人の努力によって生み出されています。
次回コーヒーを選ぶときは、ぜひスペシャルティコーヒーに挑戦してみてください。その一杯が持つ個性やストーリーを味わうことで、コーヒーの楽しみ方がもっと広がるはずですよ!